朝鮮学校の完全排除に反対しよう! 高校「無償化」施行規則改定へのパブコメ

みなさんが恐れている自民党政権が最初にやろうとしているのは、在日朝鮮人への抑圧です。つまり、朝鮮学園の高校「無償化」からの完全排除です。政府がパブリックコメントを募っているという情報が回ってきたので、筆者も反対のコメントを出しました。みなさんも反対のコメントを出してください。

パブリックコメント投稿フォーム(1月26日まで)
 
高校「無償化」──といっても、公立高校以外にとっては事実上は通学補助金ですが──からの朝鮮学園の排除は、たんなる教育上の問題ではありません。「拉致」を口実とした在日朝鮮人への差別と迫害を、3年前に日本政府が公然と煽った出来事として、理解しなければなりません。差別的な政策を導入したのは民主党で、それを自民党は固定化しようとしているだけだということも、念頭に置いておかねばなりません。戦後の日本政府は、朝鮮学校を拒否し、抑圧し、潰せないと分かるとできるかぎり制度外に置こうとしつづけてきたという歴史的文脈も、忘れてはいけません。日本政府が「拉致」を口実にする一方で、戦後日本が維持してきた在日朝鮮人への差別および朝鮮民主主義人民共和国への敵対政策を問う声が、日本国内でますます弱まっているという事実を、直視しなければなりません。こうした背景において、現在このような事態が起きていることを、理解しておかねばなりません。

テクニカルな説明もしておくと、高校「無償化」施行規則第1条第1項第2号の「ハ」だけを削除する案に、コメントが求められています。法律的には、この「ハ」に朝鮮学園が当てはまるようになっているので、これをなくせば完全排除ということになります。これは省令として、議会を通さずに変えられるということもあって、自民党は真っ先に手をつけたのでしょう。

以下に筆者のコメントも載せたので、参考になるようであれば利用していただいて構いません。改定反対のコメントを送ってください。

パブリックコメント投稿フォーム(1月26日まで)

(以下、筆者の投稿コメント)

(高校「無償化」施行規則の改定(第1条第1項第2号ハの削除)に反対します。現在適用保留となっている朝鮮学校を排除するものに他ならないからです。

下村文科省は「拉致問題に進展がない」ことを理由に挙げましたが、この発言には大きな問題があります。これはつまるところ、「拉致問題」のために朝鮮学園に通う子供たちの権利を抑圧しよう、という呼びかけを意味します。あなたがたは恥を知らないのでしょうか。

もっとも、すでに民主党政権が、約3年におよぶ適用保留の措置によって、事実上、そのようなメッセージを日本社会に送りました。朝鮮学園に通う子供たちは「無償化」の適用を受けていないばかりか、「拉致」を口実にした脅迫やバッシングの標的にされてきました。さらには、都道府県などの地方自治体から学園に支給されている(もともとわずかな)補助金すら、攻撃されています。

そもそも朝鮮学園は、日本におけるその他の外国人学校とは存在意義が違います。大日本帝国による朝鮮の植民地化の結果として、日本に渡らざるをえなかった朝鮮人たちが、抑圧された自己の言語と文化を取り戻すため、戦後に作り出したものです。日本が1945年までに行ったことを反省するのであれば、政府は朝鮮学園にいわゆる「一条校」と同等かそれ以上の保障をするのが、当然のことであるはず。

残念ながら、現実に戦後の日本政府がやってきたことは、その逆です。朝鮮学校を否定し、抑圧し、それでも潰すことができないと分かると、可能なかぎり制度外に追いやってきました。

拉致、拉致、といいますが、日本は植民地期に拉致された人々の子孫も含まれる在日朝鮮人にたいして、戦後も抑圧を続けました。朝鮮民主主義人民共和国にたいしても、日本は日米同盟のもとで敵対姿勢をとってきました。この抑圧および敵対の姿勢を改めるどころか、むしろそれを強化しているところで、拉致問題が「進展」しうるなどと、誰が本気で考えるでしょうか。つまり、敵対姿勢先にありきです。わたしはそのような敵対政策に反対します。

以上の理由から、わたしは、朝鮮学園への高校「無償化」の即刻適用と、朝鮮学園へのさらなる公的保障を、政府に要求します。

柏崎正憲

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